点尊降臨!

「ぼくが何者であるかは、お前が決めれ!」 なんか創る人をやってます。

敬語も結局諸行無常

普段使う言葉から諸行無常を悟る経験がある人はどれくらいいるだろう。

普段のぼくの仕事はサービス業。

お客様へ敬語を使わねばならない仕事だ。

しかし、今働いている現場ではどうやら誤った敬語が飛び交っている。それも残念なことに、平も上司もともどもに間違った敬語を連発している。生半可な知識だけあるため、すごくすごく気になる。

 

そもそも敬語とはなんぞや? ぼくは思った。たしかに今の仕事を始めてから、なんとなく習ってきたし使っているつもりだったのだが、実際のところどうなのだろうと今の惨状を眺めて思ったのだ。

 

そういえば国語の授業で敬語の授業を少し受けた記憶はあるが、実践して使うこと等ほぼ皆無であったがため、全く身に付かずに大人になってしまった。そして成人式からははや17年ほど過ぎてる(早生まれのため成人式の式は19歳だった)。そんなこじらせにこじらせてしまった人生で、今この敬語について「やっぱり必要かな」と思い始めたのだ。まあ、ここまで考えて、まともな敬語を使っている同年代や年上、年下はすっごく少ないので、それほど問題でもないのかもしれないが・・・・・・。

 

ということで、敬語について書かれている本を買って読んでみた。当然、それは自己研鑽を目指してでの行動である。ぼくは意識高い系人間なのだ!

だから、まずはこの本を買ってみた。

『失礼な敬語 誤用例から学ぶ、正しい使い方』 野口 恵子

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読みづらい。というか、何を書いているのかがわからない。誤用と正しい使い方の区別がつきにくい構成となってる。いや、それダメってわかるけど、じゃあどれがどう正しいのかわかりづらいところがいくつかある。そもそもターゲットがぼくのような敬語を中途半端にかじった人間ではなく、敬語や日本語に詳しい人向けなのだろう。

意識高い系を冒頭で自負したものの、まだまだそれには遠いようだ。

 

次に買ったのはこれ!

マンガ世代のぼくでも読みやすい。マンガと文章で優しく書かれている。

 

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この本は意識高い系初心者、ビギナー、または意識低い系でもとりあえず読める! ぼくのような中途半端意識高い系にはもってこいの本だった。

 

この2冊を読んで、自分自身に感じたことは「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」よくよく考えると意味はなんとなく憶えているのだけれど、実際には意識して使っていないということだった。

そして他の敬語に関する本をちらっと立ち読みすると書いてある本によって若干敬語に関する解釈が違う。

「〜させていただきます」

これよく職場で聞くんだけど。お客様に対して「〜させていただきます」というのは実は失礼なんだよね。でもとある敬語の用例をつらねた本ではこれOKになっていた(ので買わなかった)。

 

そもそも言葉ってどんどん変化するものだし、単語の意味だってどんどん変わるもんだ。

役不足」=もっと良い役職につく実力がありながら、下っ端のままのこと

「役者不足」=実力が足りないこと

を混同して本来「役者不足」と言うところを「役不足」と台詞をつけてる作品がほとんどだし、日常でもそう。この勢いだと誤用がそのまま定着していくんだろうなって思ってる。

 

(誤用)

「〜の形になります」

「よろしかったでしょうか?」

「〜いただき、ありがとうございます」

 

(正用)

「〜でございます」「〜になります」

「よろしいでしょうか?」

「〜くださり、ありがとうございます」

 

「いただく」「くださる」の違いは難しくて、どちらでも良い場合もあるんだけど、「くださる」が明らかに正しい場合でも「いただく」を使っている人多い。

「くださる」の主語はお客さんなど、自分と相対している他人が主語になる。

「いただく」は自分が主語になる。

この誤用も大多数に受け入れられているみたいだから、定着するんじゃないかなって思ってる。

 

そこまで考えると、いったい敬語ってなんだろう? 言葉ってなんだろうとぼくは迷うのだ。

この迷いはとくに小説を書く際、登場人物に台詞をつける際に生じている。

今現在多くの人間が誤用しているものを使うのか? それともなるべく正しいものを使うのか?

それとも登場人物によって使い分けるのか? 

そもそも自分が認識している敬語が正しいのか、正しくあり続けるのか?

諸行無常の響きは祇園精舎の鐘からだけではなく、敬語からも普段使っている言葉の響きにも含まれているのだろう。